慈光寺 ~初代鎌倉殿ゆかりの寺~ -ときがわ町-

*慈光寺 ~初代鎌倉殿ゆかりの寺~  「鎌倉殿の13人」 -ときがわ町-

釈迦堂(過去に焼失し、現存しておりません。)

慈光寺(じこうじ)は、埼玉県比企郡ときがわ町にある天台宗の寺院。山号は都幾山。院号は一乗法華院。本尊は千手観音で、坂東三十三観音第9番札所。

国宝:法華経一品経・阿弥陀経・般若心経 33巻(附筆者目録1巻、補写目録1巻)

法華経一品経 人記品第九

法華経一品経 堤婆達多品

慈光寺は,、埼玉県比企郡ときがわ町にある開山1300年の歴史の名刹です。
九十六世信海が書いた寺伝『都幾山慈光寺実録』によりますと、天武天皇の2年(西暦673年)癸酉、僧慈訓が当山に登り慈光老翁の委嘱を受け、千手観音堂を建て、観音霊場として開基しました。

慈光寺への道~慈光寺境内  *2022.9.26撮影

*慈光寺 ~初代鎌倉殿ゆかりの寺~  「鎌倉殿の13人」 -ときがわ町-

慈光寺は、阪東九番の札所霊場としても有名であり、静かな趣をたたえた風光明媚な場所にあります。比企山中の木立深き静かな寺として、阪東三十三観音霊場第九番札所の巡礼者を迎え、参拝者の憩う場所でもあります。

*慈光寺 ~初代鎌倉殿ゆかりの寺~  「鎌倉殿の13人」 -ときがわ町-

九十六世信海が書きました寺伝『都幾山慈光寺実録』によりますと、天武天皇の2年(673年)癸酉、僧慈訓が当山に登り慈光老翁の委嘱を受け、千手観音堂を建て、観音霊場として開基しました。
その頃、役小角が伊豆の国に配流となり、関東を歴遊して当山に至り、西蔵坊を設け修験道場としました。

*慈光寺 ~初代鎌倉殿ゆかりの寺~  「鎌倉殿の13人」 -ときがわ町-

奈良時代に、唐より波濤を越えて来朝した鑑真和上の高弟、釈 道忠によって、慈光寺は創建されました。

道忠は、仏法を広めるため東国を巡錫しましたが、徳望あつく利生に努めたので、民衆より広恵菩薩と敬称されました。道忠は、当山に仏像を建て、一尺六丈の釈迦如来像を安置し、一山学生修学の大講堂としました。

*慈光寺 ~初代鎌倉殿ゆかりの寺~  「鎌倉殿の13人」 -ときがわ町-

平安時代になりますと、伝教大師最澄が比叡山に天台宗を開教しましたが、その折には道忠教団によって2000余巻の経典が奉納されたと『叡山大師伝』に記されています。

桓武天皇の延暦2年(783年)、伝教大師により天台密教の教旨が慈光寺に弘通されました。その後は、台密の教法を修学する学徒と役小角の流れをくむ行徒二派が修行する女人禁制の道場として、また千手観音の霊場として栄えました。特に清和天皇には、天台別院として「一乗法華院」の勅額を賜りました。

*慈光寺 ~初代鎌倉殿ゆかりの寺~  「鎌倉殿の13人」 -ときがわ町-

貞観13年(871年)には上野国大目安部小水麻呂(こうずけのくにだいさかんあべのおみずまろ)が、「大般若経」600巻を書写し、当山に奉納しました。これは、筆跡優れた古写経として、国の重要文化財に指定されて現存しております。

縁起・由来について

鎌倉幕府を開いた源頼朝は、当寺に崇敬の念あつく、文治5年(1189年)奥州の藤原泰衡追討に際し、戦勝祈願のため愛染明王像を当山に贈りました。また、寺領として1200町歩を寄進した建久2年(1191年)の源頼朝寄進状が、今に残っています。このためでしょうか、華麗優婉な装飾経として有名な国宝「慈光寺経」がもたらされて伝来しております。これは、後鳥羽上皇を筆頭とする藤原兼実一門が結縁のため書写した「法華経」の一品経であります。

*慈光寺 ~初代鎌倉殿ゆかりの寺~  「鎌倉殿の13人」 -ときがわ町-

建久8年には、臨済宗の祖・栄西禅師の高弟栄朝禅師が参り、当山に臨済宗の霊山院を創建し、禅道場が開かれました。この頃が慈光寺の全盛であり、七十五坊が甍を連ね、壮大な寺院群は、輪奐の美を誇ったといわれております。今残る慈光坂の丈余の板碑群は、その頃の栄華をしのぶものです。

戦国の時世では、慈光寺も僧兵を傭し、近隣の城主との抗争に明け暮れました。太田道灌らによって焼き討ちの憂き目にあい、栄華を誇った寺院も衰運をたどることになりました。
江戸幕府の世となりまして、寺領百石が与えられましたが、とりわけ、3代将軍家光の室桂昌院の信仰があつく、奉納された貴重な品々を今に見ています。

*慈光寺 ~初代鎌倉殿ゆかりの寺~  「鎌倉殿の13人」 -ときがわ町-

*慈光寺 ~初代鎌倉殿ゆかりの寺~  「鎌倉殿の13人」 -ときがわ町-

*慈光寺への道~慈光寺境内  *2022.9.26撮影

昔は慈光寺がこの地方の政治・経済・文化の中核をなしており、その伝統や技術が、今尚盛んな、ときがわ町の建具や、小川の手漉き和紙、そして狭山茶の産業として息づいています。

(※上記の記事は、慈光寺のHPより引用し再構成させていただきました。)