尾田 悟 ライヴ plus 秋満義孝 ( +「Swing and Swing」鑑賞ノート)

尾田  悟  ライヴ《Swing》 秋満義孝

 懐かしい尾田  悟の演奏を、久しぶりにCDで聴きました。
 テナーサックスの尾田  悟が亡くなって、早いものでもう6年になります。

 *2014年9月26日《Swing》

 尾田さんの演奏を生で最後に聴いたのは、亡くなられる1年前、銀座の老舗ジャズクラブ《Swing》での演奏でした。当時《Swing》の会員だったので、カウンター席を予約して間近に演奏を楽しむことができました。この日は、尾田さんの祝米寿記念ライブということでのステージでした。わたしにとっては、尾田悟さんのくつろぎのテナーを生でじっくりと聴く最後となりました。

 そして、現在わたしはというと、コロナ渦中、それが納まるまで遠出はぜずに田舎で静かに時を過ごしています。尾田さんの演奏を生で聴けなくなってしまったことを惜しみつつ、CDを聴きながら尾田さんの演奏の思い出に浸っています。

 2015/09/29 祝米寿記念ライブ (銀座《Swing》)
 ts.尾田 悟 p.秋満 義孝   ts.右近 茂 b.根市 タカオ dr.猪俣 猛

 尾田  悟  ライヴ《Swing》 秋満義孝

 祝米寿記念ライブの1年前の2014年9月26日にも、同じく《Swing》で尾田さんの演奏を聴く機会がありました。その時のメンバーは、

  ts.尾田 悟 p.秋満 義孝   b.根市 タカオ dr.猪俣 猛  vo.野村 佳乃子。

 現在コロナ渦中、基礎疾患があり、どこにも出られないこの身にして思えば、実際に演奏する姿や動き、表情を見ながら同じ空間に居合わせて、同じ空気を呼吸しながら、演奏を聴くというのは、一期一会の貴重な思い出でありました。

 この時のピアニスト秋満義孝さんは、尊敬するわたしの大好きなピアニストで、あの純な雫の連なりのような音がたまらなく好きです。秋満さんのピアノには、「秋、満つる」ごとき詩情を感じます。いつもその醸し出す音の魔法に驚くばかりです。ピアノの詩人ですね。銀座の《Swing》で休憩時間に思わず握手をさせていただきました。あの極上の音のこぼれくる御手とですよ。光栄です。

 そう言えば、vo.の野村佳乃子さんが、「Skylark」を聴かせてくれたのを、その素敵な語り口とともに、今ふと思い出しました。その生の歌声が今にも聞こえてきそうです。よい思い出をいただきました。

 今となっては、古き良き時代の思い出となりました。感謝。

 

★ビリー・ホリデイの記事〈わたしの鑑賞ノート〉「 THIS YEAR'S KISSES」で、レスター・ヤングに関連して、尾田さんのことに少しふれておきました。(下記リンク)

 ビリー・ホリデイへのリンク

 尾田  悟  ライヴ《Swing》 秋満義孝


 当時の《Swing》での演奏を、瞼に浮かべて、尾田・秋満の演奏を、「Swing and Swing」というCDで懐かしく楽しみました。下に鑑賞ノートを書いておきました。

 

【曲目】

1. EXACTLY LIKE YOU
2. BODY AND SOUL
3. ON THE SUNNY SlDE OF THE STREET
4. ROSETTA
5. OH, LADY BE GOOD
6. I'M CONFESSIN'
7. JUMPIN' WITH SYMPHONY SlD
8. UNDER THE BLANKET BLUE
9. SOMETIMES I'M HAPPY
10. WHO'S SORRY NOW
11. WHEN I'M TOO OLD TO DREAM
12. IF I HAD YOU
13. BLUES MY NAUGHTY SWEETY GlVES TO ME

  尾田 悟(ts) 秋満義孝(p)  録音:1996年3月24日 オーディオパーク ライブ録音

〈いろはno思いこみ鑑賞ノート〉

 このCDを聴いた時は、少し疲れ気味でした。そのせいか、今まで聴いてきたこのCDの印象とは、少し違った印象で聞こえてきました。

 "ON THE SUNNY SlDE OF THE STREET" この演奏が、この日の気分によく合っていました。この演奏は、スローテンポの「サニー・サイド」。ちょっと暗めの表通り。尾田は、この曲へふわっと入っていき装飾的フレーズが次々と展開していき、わたしのこの日の気分にぴったり合っていました。

 "WHEN I'M TOO OLD TO DREAM" この演奏も、この日の気分にマッチしていて、尾田のテナーがやさしく語りかけてくれます。秋満の最初のピアノもいいし、尾田も素朴にいい感じで吹いていました。

 曲が進むにつれて、最後の  "BLUES MY NAUGHTY SWEETY GlVES TO ME"  の頃には、気分も良くなってきて、この演奏に気分良く乗って、楽しむことができました。この演奏、エンディングに相応し快調な演奏でした。

次回はこのCDを聴いてみようかなと。



  尾田  悟  ライヴ《Swing》 秋満義孝