NHKのBSで、わたしが高校生の時に観た映画をいくつかやっていた。懐かしいので、録画しておいた。「卒業」、「ウエスト・サイド物語」・・・・・。
映画「卒業」では、懐かしい思い出の一場面だけを観た。それは、サイモンとガーファンクルの「スカボロー・フェア」という曲がバックに流れている動物園の場面。
Are you going to Scarborough Fair?
(Parsley, sage, rosemary and thyme)
Remember me to one who lives there
For once she was a true love of mine.
スカボローの市へ行くのですか。
(パセリ、セージ、ローズマリー、タイム)
そこに住むある人によろしく言ってください
彼女はかつての私の恋人だったから
この歌が流れてくる。動物園の動物の顔、淋しげな若者の姿。この場面、音楽が若者の気持ちに、やさしく寄り添って聞こえてくる。
映画「卒業」のこの場面を観ていたら、ふとこんな句を思い出した。
きみ嫁けり遠き一つの訃に似たり 高柳重信
きみゆけり とおきひとつの ふににたり
わが青春のほろ苦い思い出のひとこま。「Fさんが結婚したんだって」と友から聞いたときの心砕ける思い。今となっては、遠い遠い、懐かしい青春の日の思い出だが、この句は、実によく当時のわが心情を言い当てているなあと感心する。もう一句は、少年の日に。
少年の見遣るは少女鳥雲に 中村草田男
しょうねんの みやるはしょうじょ とりくもに
動物園の淋しげな若者(ダスティン・ホフマン)の映画は、高校生の時に「卒業」を観た後、「真夜中のカーボーイ」、「ジョンとメリー」と続けて観た記憶がある。
「真夜中のカーボーイ」は「後楽園シネマ」、「ジョンとメリー」は有楽町の「みゆき座」。一番よく通ったのは、池袋の名画座である「文芸座」(洋画)「文芸地下」(邦画)で入場料は百円で百円映画と言っていた。2本百円なので、おかげで名作をたくさん鑑賞できました。百円映画とはいえ、実質は数百円だったか。これらの映画館は、わたしと同世代の人には、懐かしい昭和の響きのある名前でしょう。
「マリア」
「トゥナイト」
映画「ウエスト・サイド物語」: 作曲は、レナード・バーンスタイン。「トゥナイト」「マリア」「アイ・フィール・プリティ」などの大好きな曲が目白押し。懐かしい歌の場面だけをピックアップして鑑賞した。今となっては古い映画かもしれないが、音楽が生き生きとしていて楽しめた。
「アイ・フィール・プリティ」は、サラ・ヴォーンのこれも好きです。