スピーカーの音割れ・ビビリ音の修理の仕方 D77MRX

スピーカーの音割れ・ビビリ音の修理の仕方 D77MRX



スピーカーの不具合 -音割れ- ONKYO D77MRX

 何年か前の春、アンプの修理を終えた(YAMAHA  A-S2000)。秋になり、暑くて夏の間聴けなかった音楽をたっぷり聴きたいと思い、リヒテルの平均律クラヴィーア曲集(バッハ)を聴いてみた。
 音が悪い。アンプのボリュームを上げてみると、左のスピーカーの音が割れているのである。

 

 アンプの不具合が又出てきたかと思い。いろいろとチェックしてみた。アンプに異常はなかった。(左右を入れ替えてつなぎ直しても、相変わらず左のスピーカーが音割れしているのであるから。)
 原因はスピーカーにあると決めて、メーカーに電話したが、D77MRXは、生産終了から大分経っているので、修理は承っていないとのこと。


 それではと、新規にスピーカーの購入を検討。だが手頃な価格帯で交響曲がある程度満足に鳴るスピーカーが見当たらない。
 当時の何年間かは、交響曲を集中して聴いていた。ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ブラームス、ブルックナーと、それぞれ作曲家の交響曲を全曲丁寧に聴いてきていた。このD77MRXは、30cmウーファーにより満足のいく低域を再生していたので、交響曲を聴くには手頃なスピーカーであった。


 綺麗な音が出るだけのスピーカーでは満足できない。昔NS600とうヤマハのスピーカーで音楽を聴いていたが、音は生き生きと躍動感があり綺麗に鳴るが、交響曲には向かないスピーカーであった。ジャズを聴くにもちょっと軽いかなと思っていた。ベースの音がずんと響くような感じではないし。

 

 購入するスピーカーがないならば、修理と。でも、メーカー以外の修理店を探すもむずかしそう。
 でスピーカーの故障について調べてみた。その中に、「スピーカーユニットを本体から外してから音出しをしてみるといい」というようなアドバイスがあった。


 早速、六角レンチを修理箱から探し出し、該当のスピーカーユニット(左の12cmスコーカー)のネジを全部外してしまった。ユニットはその場に置いて、音出しをしてみた。音が割れていないではないか。きれいになっている。


 これでスピーカーユニット自体の故障ではないことになった。なら修理に出す必要も無かったのである。
 ところがである。元のようにネジを締めて再び音を出してみると、またビビリ音が出ているではないか。

 

 何度か試行錯誤して分かったことは、ネジの締め具合によって症状が出たり出なかったりするということである。しっかり締めるとビビリ音が出て、やや弛めると消える。

 

 いろいろと調べてみて分かったことなのだが、スピーカーの増し締め(締め直し)は微妙な作業なのだそうだ。だから、メーカーは最適のネジの締め具合で出荷しているのだそうだ。


 そんなことは、お構いなしにネジを全部外して、その後適当に締め直しておいたのだから、ビビリ音が出ても当然である。まして、最適な音にはなっていないだろう。

 

 今回の症状の原因は、メーカーの最適のネジ締めの状態がいつしか崩れてビビリ音が発生してしまったのだろう。安物のラジカセなんかは音割れがよくあったけれど、単体で買ったスピーカーでは、今まで音が割れるなんてことがなかったので、ユニット自体の問題だと思ったのである。


 だが、やはりスピーカーってデリケートなんだなと思った。職人芸的な余地が多分にある製品なのである。
 この学習の結果をつぎに生かすことができる。こんどビビリ音がしたら、六角レンチを取り出して、微妙な締め具合でビビリ音を退治してやるぞ。

 

 また、調べているうちに、かなり評判の良いスピーカーケーブルと出合うこともできた。おすすめのケーブルを購入して、音を出してみた。確かに違う。音がふくよかになった。今までは聞き取れなかった楽器の微妙な音が、立ち現れてきた。数千円で得をした。

 

 購入したケーブルは、「ナノテック・システムズ SP#79 Special」(下の写真)価格も余り高くない(価格:    ¥1,050 & 配送料無料-アマゾン-)ので試してみる価値は十分あると思います。何年か前のことなので、今は他にもっと良い製品があるかもしれませんが。

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注意!

増し締め(締め直し)について:下記のような書き込みもあります。
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 SPのユニットを止めているネジを手で増し締めしたら音のバランスが大きく崩れて参ったという話を書かせていただきました。

 もちろんこの時も適当に締めたのではなく、手に神経を集中して同じくらいのトルクで増し締めしてネジのトルクを均一化したつもりだったのですが、おそらくそうはなっていなかったのでしょう。
(この時は緩んでいるネジは締め、同じ力加減で回らないネジはそのままにしておきました)

 音のバランスが崩れると言っても中々イメージが掴みづらいと思いますが、高域がどうなるとか低域がどうなるとかということでは無く、音楽がとても不自然に、そして大味に聴こえるようになったのです。
 左右でたった30本程度のネジを増し締めしただけでです。

 最初は頭を抱えましたが、再度すべてのネジを軽く緩めてから締め直すことで少しはマシになりました。

 しかし、感覚的な事ですが、以前よりSPの特性が劣ったような印象がぬぐえず、可能な限り正確なトルクを得ることでSP本来の鳴りを取り戻したいという思いに駆られトルク管理をすることにしました。・・・・・・・
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 *スピーカーの音割れ・ビビリ音の修理の仕方 D77MRX