やれやれ、暑くなりました。ジャズでも聴きませんか?(1)

 やれやれ、暑くなりました。ジャズでも聴きませんか?(1)



 やれやれ、足を骨折して、野外に出られないで家に閉じこもっている毎日が続いています。しかも、ここで急に暑くなり、息苦しくなってきました。もう限界かな。

 扇風機 猛暑に負けぬ熱さかな  いろは
    せんぷうき もうしょにまけぬ あつさかな

 部屋でできることといったら、あまりありません。野外に出られないので、俳句も当分お休みしてます。田舎の人間ですから、自然の中を闊歩しないと、行き詰まってしまうのです。骨折する前は、草刈りをしたり自然の中を毎日動き回っていたのです。

 思うことは、二本の足で走り回ること。それができないので、寝転んで空想・妄想に耽っています。(以下は、「いろは」の空想・妄想です。)

「音楽はいいなあ。マーラーの音楽は、聴き手を壮大な世界に誘ってくれる。その中で、スミレの可憐な花びらは風にそよいでいる。大自然の中を闊歩する足音が響いてくる。耳を澄ますと大きな滝の音もこだましてくる。山裾の緑は色を濃くして豊かに茂り、人々は偉大な自然の懐に抱かれている。

 ナイーブな生命のほとばしりはどこへ行った? この広大無辺な世界を、自分が決めた枠の中だけで生きようというのか? 説明さえできれば、世界を理解したことになるというのか? 自分の選り好みを超えている自由を知っているのか? 云々。」

 妄想は翼を得たりと、妄想は妄想を呼んではばたいてゆく。

 「自分とは言葉の響きがあるだけであり、こだわっている対象はすべて心の中の影像にすぎない。それらに対応するものは存在しないのだ。」というような言葉をかつて読んだ覚えがある。

 しかし、たとえ「対応するもの」は存在しなくとも、妄想自体はありありと現れ飛翔する。処置なし。

 そこで、いいことを思いついた。そうそう、ジャズを聴く。ただただ聴くただただジャズを聴く。そう、しかも、「ジャズ」プラス「水割り」


 暑くてストレスも蓄積してきてます。氷をたっぷり入れて水割りをいただく。久しぶりにウィスキーを飲みながら、ジャズを聴きまくろうかな。つまみは、柿の種。

 部屋の畳に骨折した足を投げ出して、座卓の上の皿の柿の種をつまみながら、氷のいっぱい入った水割りを飲み、ジャズを聴く。

 暑気払 氷の音にジャズの音 それに「柿の種」     いろは
 しょきばらい こおりのおとに ジャズのおと

 前に「ソニー・ロリンズ / サキソフォン・コロッサス 鑑賞ノート」(下記リンク参照)という記事を書いたときに、いっしょに物置から持ってきておいたソニー・ロリンズの「Sonny Rollins VoL.2」というのが、まだ部屋に置いてありました。これでいい。彼のテナーサックスの豊かな音をじっくりと楽しもう。


 やや暗くなり、少し涼しくなりかけた夕方、水割りを飲みながら、ジャズを聴く。同じ事やっている人には、その気分よく分かると思います。最初、水割りで喉を潤しながら、ジャズが次第に佳境に入ってくる。ジャズのピッチが上がり、アルコールのピッチも上がっていく。(といっても、わたし「いろは」の場合アルコールは弱いのでほどほどです。)

 ジャズの楽しみをご存じないみなさん、いかがですか。こんなスタイルでのジャズの聴き方。ライヴとまではいきませんが、十分にジャズを楽しめますよ。ライヴ盤CDなら、更にいいです。ジャズクラブでジャズを聴いているような雰囲気を味わえます。下のアルバムはライブ盤ではありませんが、少しライヴっぽい雰囲気も味わいながら聴くことができます。

 「サキソフォン・コロッサス」とは違いますが、このアルバム、なかなかいいですよ。ソニー・ロリンズ:「Sonny Rollins VoL.2」 妄想も吹っ飛びます。三昧無碍。気分すっきり。

Sonny Rollins VoL.2

1.Why Don't I
2.Wail March
3.Misterioso
4.Reflections
5.You Stepped Out Of A Dream
6.Poor Butterfly

Sonny Rollins(ts) 
J. J. Johnson(tb)  (except 4)
Horace Silver(p)  (except 4)
Thelonious Monk(p)  (3, 4)
Paul Chambers(b) 
Art Blakey(ds)


「やれやれ、暑くなりました。ジャズでも聴きますか?(2)」は下のリンク。

「やれやれ、暑くなりました。ジャズでも聴きませんか?(3)」は、下のリンク。