ハイネの詩 「いと美しき五月に」



いよいよ5月の到来です。
5月になると、ハイネのこの詩をいつも思い起こします。
みずみずしく、生命の溢れ出るような、このゆったりとした豊かな響きを。

ハイネの詩「いと美しき五月に」 

いと美しき五月に
すべてのつぼみほころびぬ
わが心の中にも
愛は花開きぬ

Im wunderschönen Monat Mai,
Als alle Knospen sprangen,
Da ist in meinem Herzen
Die Liebe aufgegangen.

憧れの五月がやってきました。この喜び、感謝。
「若きウェルテルの悩み」の中のフレーズにも、5月の自然の生命のみずみずしさと充溢を感じます。(「若きウェルテルの悩み」5月4日掲載)


この詩を歌曲としたのが、歌曲集「詩人の恋」OP.48(シューマン作曲)。
この歌曲も5月が始まると心に蘇ってきます。

五月にふさわし美しい詩と音楽です。下の歌手は、フィシャー・ディースカウで、詩の言葉を大事にして、ていねいに歌っています 。デームスのピアノも美しく、この歌曲集を初めて聴いた若き日の感動が蘇ってきます。

今年も、いよいよ「いと美しき五月」がやって来ました。

よろしかったら、お聴きください。「いと美しき五月」は、歌曲集「詩人の恋」の第1曲目です。全16曲お聴きになることもできます。




Im wunderschönen Monat Mai,
Als alle Knospen sprangen,
Da ist in meinem Herzen
Die Liebe aufgegangen.

Im wunderschönen Monat Mai,
Als alle Vögel sangen,
Da hab ich ihr gestanden
Mein Sehnen und Verlangen.

いと美しき五月に
すべてのつぼみほころびぬ
わが心の中にも
愛は花開きぬ

いと美しき五月に
すべての鳥は歌いぬ
われかの人に打ち明けぬ
わが思慕と渇望を