「やれやれ、暑くなりました。ジャズでも聴きませんか?」(4)
「やれやれ、暑くなりました。ジャズでも聴きませんか?」も、4回目ということになります。
こうしてジャズを聴いていると、かつての若いとき、ジャズの好きな仲間といっしょに聴いたジャズの思い出が蘇ってきます。
骨折の足を伸ばしてジャズ夜長 いろは
比較的よく聴いたり、アルバムの揃っているプレーヤーは、次のとおり。
1920年代後半のルイ・アームストロング。そして、後のライヴ盤(タウン・ホール・コンサートやシンフォニー・ホール)。ディキシーランド・ジャズやスイングのアルバムも結構あります(ディキシーやスウィングの好きな先輩がいまして、その影響で集めました。)。黄金時代のカウント・ベイシー楽団も。
レスター・ヤングやコールマン・ホーキンス。そして、チャーリー・パーカー。クリフォード・ブラウンやソニー・ロリンズについては別のページに既に書いたとおりです。
ピアニストでは、バド・パウエル、ビル・エバンス、オスカー・ピーターソン等。歌手ではビリー・ホリデイ、サラ・ヴォーンのアルバムはかなり揃っています。やはり好きなのは、ソニー・ロリンズということになりますか。
今までに集めたLPレコードやCDは物置に置いてあるので、聴きたいものだけを少数ピックアップして持ってきて聴きます。(断捨離のため処分し続けていますが、ジャズ関係のレコードやCDは、まだ五百枚ほどはあると思います。新しくは購入していません。)
現在ジャズは時々、しかも気分が向いたときだけしか聴いていないので(この夏は別でしたが)、手に取るアルバムは限られていて、数少ないです。それらのいくつかは、このブログに書いてきました。
この夏は、物置にあるジャズの古いLPレコードやCDを物色して、楽しめそうなアルバムを探しています。不当たりはごめんなので、無難なところを選んでおきます。
先日は、レコードの棚を漁っていたら、高校時代に聴いたアルバムが見つかったので、懐かしさにつられて取り出してきました。それは、アート・ファーマー「モダン・アート」(1958年)とオリヴァー・ネルソン「ブルースの真実」(1961年)。両者ともステレオ初期の盤ですが、録音は聞きやすくてよいです。
アート・ファーマー「モダン・アート」は、家に前々から既にあったレコードで、はじめて聴いたジャズのレコードでした。その頃は、小学校の頃から家にパイオニアのオーディオセットがあって、それを当時は「ステレオ」と呼んでいました。その「ステレオ」で、「モダン・アート」を聴いていました。
このアルバムは、極上の音のブレンドによるハーモニー。このくつろぎ感が何ともいいです。ベニー・ゴルソン、アート・ファーマーのゆったりとしたくつろいだ雰囲気。ジャズをゆったりとくつろいで聴くことができます。こういう聴き方もひとつのジャズの楽しい聴き方です。そんなくつろぎの中で、若きビル・エバンスのピアノが新鮮に輝きます。美しいピアノです。このレコード、今聴いてもいい感じで聴けます。
特に、今回何十年ぶりに聴いてみて、「LIKE SOMEONE IN LOVE」が特によかったです。ドボルザークの郷愁を誘うような音楽を思いました。ゆったりとしたこのくつろぎ感、なんともいえずリラックスできます。ベニー・ゴルソンのくつろぎの演奏が何ともいいです。
オリヴァー・ネルソン「ブルースの真実」は、自分で買ったはじめてのジャズのレコードです。何でこれだったのか、記憶がありません。田舎のレコード屋には、ジャズのレコードがこれしかなかったのかも知れません。
2千円ぐらいだったかな? 確か「スウィング・ジャーナル選定ディスク」という丸いシールが貼ってあったのを記憶しています。このレコードには、そのシールを剥がした後が今でも残っています。(「スウィング・ジャーナル」っていう雑誌は、まだあるのかしら? 「レコード芸術」は、廃刊に追い込まれたと聞きましたが。)
このアルバムもピアノはビル・エバンスです。ビル・エバンスは、トリオでの演奏もいいですが、こちらも好きです。美しく冴えて響いてきます。エリック・ドルフィー(fl、as)も参加しています。フレディ・ハバート(tp)が張りのあるプレイを繰り広げています。こちらのアルバム、今でも充分楽しめました。
しかしながら、ジャズクラブの生の雰囲気が伝わってくるライヴ盤もいいものです。その気楽さ、親しみやすさ、ぬくもりが何ともいえません。水割りでも飲みながら、ジャズクラブで、「くつろぎ」のジャズを聴くというスタイルが、わたしの好みに合っています。それが一番心安らぎます。
シカゴのジャズ・クラブ「ロンドン・ハウス」あたりで、くつろいだ雰囲気でジャズを聴きたくなります。となると、オスカー・ピーターソンの「ロンドン・ハウス」のライヴ録音(4枚のLP)ということに。
今回は、「トリオ」ではなく、同じ「ロンドン・ハウス」の別のアルバム。「Something Warm」にしましょう。やはり、ジャズクラブの生の雰囲気が漂っているのが何ともいえませんし、その上演奏の質も最高級のものです。
「There's No Greater Love」の出だしのピアノの刻むリズムの快いこと。ジャズクラブの雰囲気が何とも言えず、リラックスできます。お酒も美味しく飲めるライヴ・アルバムです。ウィスキーを飲みながらゆったりと聴くのに、雰囲気がぴったり合っているジャズクラブでの演奏です。
エド・シグペンのドラムスって、なんてセンスがいいのでしょう。それから、レイ・ブラウンのベースがずんといい間合いで響きます。この三者の呼吸が、その息づかいが伝わってくるようです。三者一体の相変わらず実に楽しいライヴ演奏です。一曲、一曲どれもみな、いい雰囲気で楽しめます。
そして、今後の鑑賞のために、以下のアルバムを部屋に持ってきておきました。
・ルイ・アームストロング「The Hotfives & Hotsevens」1920年代の録音
・ソニー・ロリンズ 「Sonny Rollins VoL.2」に続いて「VoL.1」
・それからソニー・ロリンズ「Work Time」。
・ソニー・ロリンズ関連でセロニアス・モンクの「Brilliant Corners」。
・ソニー・ロリンズのライヴ盤「a night at the"village vanguard"」これも、かつて聴いた印象的アルバム。
・チャーリー・パーカー「Charlie Parker On Dial 」「Charlie Parker The Savoy Recordings」も懐かしいアルバムです。
これらのアルバムを部屋にストックしておきました、後日じっくり味わうこととします。チャーリー・パーカーは、もうすこし経って、秋の夕暮れ時がいいかな、とか今から楽しみです。