ベルリン・フィル コンサート ベートーヴェン ピアノ協奏曲 第3番(ブリンフマン)・他 〈フィルハーモニー・ホール〉

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 コンサート

 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏を聴いたのは、数年前のことです。
 本拠地である、ベルリンの「フィルハーモニー」コンサートホールでの演奏会でした。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 コンサート

 その折、「フィルハーモニー」のコンサートホールを見学する機会がありました。夜のコンサートが行われる前の昼間に見学したのでした。下の写真は、その時撮影したものです。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 コンサート

 コンサートホールの隅々まで、遠慮なくあちらこちらと歩き回り、見学させていただきました。ホールの観客席の上の方に行ったり、下に降りたりといろいろな角度からホールを見学しました。

 このフィルハーモニーのコンサートホールは、舞台後方にも客席があるヴィンヤード型コンサートホールで、東京のサントリーホールはこのホールを参考にして作られました。

 このホールは、音響効果が考え抜かれていて、観客席の椅子までも音響に配慮して作られているとのことでした。

 ベルリン・フィルは、各国から超一流の演奏家たちが集まる世界最高峰のオーケストラのひとつで、設立は1882年。

 ブラームスやドヴォルザークが自作品の指揮を行ったりしたことがあり、ハンス・リヒター、フェリックス・ワインガルトナー、リヒャルト・シュトラウス、グスタフ・マーラー、エドヴァルド・グリーグらも指揮台に立ったことがあるようです。

 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、ヘルベルト・フォン・カラヤン、クラウディオ・アバド、サイモン・ラトル、そして、現在はキリル・ペトレンコが首席指揮者・音楽監督を務めています。

 その夜の演奏会で、ベルリン・フィルの音楽がこのホールでどのように響くのか楽しみでした。しかも、わたしの座る席は、このホールの中央やや前方で音楽鑑賞には、最適の位置でした。

 

 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第1コンサート・マスターを務めるのは、日本人ヴァイオリニストの樫本大進氏です。この夜の演奏会も、樫本大進氏がコンサートマスターを務めていました。

 

 指揮:T.ソヒエフ。ピアノ:Y.ブリンフマン。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。曲目は、プロコフィエフ 交響曲 第1番 ニ長調「古典交響曲」、ベートーヴェン ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調、ムソルグスキー(ラヴェル編曲) 組曲「展覧会の絵」でした。

 

 この夜のベルリン・フィルの演奏は、下記の樫本大進氏の言葉に違わぬすばらしものでした。生き生きと躍動的な演奏を繰り広げ、一度限りの今生まれたばかりの音楽が、溢れ出てくるような演奏でした。
 座席も本当によい位置で鑑賞させていただきましたので、ベートーヴェンのピアノ協奏曲でのイェフィム・ブロンフマンのピアノが実に快く響いてきました。
 イェフィム・ブロンフマンは、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団2023年の来日公演でリストのピアノ協奏曲第2番を演奏する予定のようです(2023.6現在)。現在、世界を代表する超一流オーケストラや指揮者と数多く共演しています。ベートーヴェンのピアノ協奏曲のCDでも聴いていたので、親しみのあるピアニストでした。
 組曲「展覧会の絵」もソヒエフ氏の指揮のもと、次々と名画を鑑賞するような実に豊かな音が響き渡ってくるのでした。
 それにしても、ベルリン・フィルの躍動感溢れる機能的な演奏には驚かされました。

 



 あの夜の演奏会から数年が経ち、現在、わたしは、このコロナ禍のために(基礎疾患があるため)、この3年間どこへも出かけていません。ですから、当然3年間オーケストラの演奏を生で聴いていないわけです。そのような折、

 ベルリン・フィルの映像配信「デジタル・コンサートホール

というのがあることを、知りました。

 

 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団   コンサート
     - 2022年11月5日   20:00  開演 -

 指揮:キリル・ペトレンコ
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  (ヴァイオリン)ノア・ベンディックス=バルグリー
 曲目は:
 ◇アンドリュー・ノーマン 《アンスタック》
 ◇モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K. 207
  (ヴァイオリン)ノア・ベンディックス=バルグリー
 ◇エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト 交響曲嬰ヘ調 op. 40

 

 「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 コンサート」を、生演奏の雰囲気を味わいながら、つまりコンサートホールにいるような臨場感をもって、我が家で視聴できるというのです。

 

 

 このコンサートをさっそく「デジタル・コンサートホール」で視聴してみました。
 数年前の夜、同じ会場で生で聴いたのに近い臨場感をもって、その演奏を視聴することができました。

 この日も、樫本大進さんがコンサートマスターを務めていて、生き生きと演奏する姿に出合うことができました。下記のインタビュー記事で紹介した樫本さんの「笑顔」にも接することができて、うれしくなりました。

 

 *コンサート・マスターの樫本大進氏が登場 拍手が響きます

 *指揮者のキリル・ペトレンコが拍手で迎えられ、樫本と握手

 *いよいよ演奏が始まりました。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 コンサート

 現在、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第1コンサート・マスターを務めている日本人ヴァイオリニストの樫本大進氏の記事。

 樫本氏は、2019年のインタビューで、次のように述べています。(国際文化会館の記事「魂に響く音を世界に届けたい」より)
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 音楽をやってる以上、単なる「仕事」という感覚ではやりたくないし、楽団の皆にもそう思ってほしくないんですよね。プロフェッショナルとしてきちんと仕事をこなすのは当たり前の話で、それを超えたところで「何のためにこれをやっているのか」ということを常に感じていてほしいんです。

 指揮者が登場していよいよコンサートが始まるという直前、最後に皆が「よし!」という気持ちになる時にコンマスを見ているからこそ、そこでの笑顔というのはとても重要だと思うんですね。だから毎回できるだけ笑顔で出ていくことは心掛けています。
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