今日は大晦日。夕方からのんびりと、ソニー・ロリンズの演奏を聴いていました。
この演奏を聴いている最中に、ふと思いついた言葉がありました。<イノセント>。
<イノセント>の辞書的意味は?
今、辞書で一応確認しています。
「innocent」:「純粋なさま。無邪気なさま。無垢なさま。天真爛漫なさま。まれにおめでたいさま、まぬけなさま。」
正しくこれだな、ロリンズの「ワーク・タイム」の演奏を聴いていて、浮かび上がってきた言葉:
イノセント innocent
このブログで紹介したルイ・アームストロング然り、チャーリー・パーカー然り、クリフォード・ブラウン然り、まさしくイノセント。
無邪気な純粋無垢な心をもってして、はじめて人の心を心底揺り動かすような演奏、このように自由無碍、天衣無縫、天真爛漫な演奏が可能なのだと思います。このことは、どの芸術の分野でも然りだと。ヘルダーリンも、ゴッホも、モーツァルトも・・・・・
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ルイ・アームストロングの記事:
サッチモは、ダサイ服装と譜面も読めない才能を見破られ、洗練されたバンド・メンバーの嘲笑を浴びました。しかし、いったん彼がコルネットを吹き出した時、バンド・メンバー全員の顔はこわばりました。
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クリフォード・ブラウンの記事:
やがて死ぬ けしきはみえず 蝉の声 芭蕉
蝉(せみ)は、いまだ至らぬ明日を思い煩っている人間を嘲(あざけ)っているかもしれません。人間のように無常を思い煩って、何の益があるでしょうか。
こんな芭蕉の句を思い出してしまいました。
ブラウンの演奏のこの潔さ。身にずんと沁みこんでくるこの演奏。この蝉の声。
クリフォード・ブラウンは、この演奏の数時間後に命を失いました。ミンミンミンミンとひたすら鳴き続け、時至れば死んでいく蝉の如くに。
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「徹子の部屋」の鈴木章治の記事:
章治さんて、なんてナイーブなんだろうと思います。その演奏も実にナイーブなのです。「はっ」とするような何とも言いがたい哀歓のフレーズが突如として湧き上がってくるのです。
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ドストエフスキーの記事: あの兄の言葉。
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フリードリッヒ・グルダの記事: あのグルダの「アリア」の響き
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イノセント innocent よいお年を