金子兜太は、わが町の隣町である小川町*に生まれ、秩父に育った、我が郷土の詩人(俳人)です。 *小川町は兜太の母親の実家の町です
散策しながら、我が郷土の詩人 金子兜太の「自選百句」を「フレージング」しています。春の山々を眺めながら、野を駆け抜け、川を渡り、畦道を踏みしめながら、声に出して詠む「金子兜太95歳自選百句」が、胸に響きます。
いつの間にか、金子兜太の句の虜になってしまいました。胸にじんと迫って来ます。心の奥深く響き、自分で句をつくる興味が急に失せ、金子兜太を毎日詠み続けていたい。
今日まで、数多の俳人の句を詠み、千五百句ほどは名句を覚えてきましたが、この兜太の百句ほど、心に迫ってきた句はありません。詠むたびに、新鮮に、新たな思いや希望が心に響き踊ります。魂が解放されます。
この魅力、この心の高まりは如何ともしがたく、いつの間にか、
『金子兜太集』(全4巻)を購入 していました。
この「金子兜太集」には、刊行時点での金子兜太の全句が載っています。それ以降の句集は、別途購入したので、これで金子兜太の全句集が揃ったことになりました。
難解な句も中にはあるようです。しかし、全身全霊自分のコードを総動員して、また時間をかけて、じっくり読んで(詠んで)いくつもりです。
「胸に熱く響く 金子兜太の句」(下記リンク)の記事でも書いたとおり、「「いのち」そのままな素朴な、おおらかな気分。老いを忘れ、少年に返ったようなこの開放感。この自由な感覚。」
定住漂泊冬の陽熱き握り飯 金子兜太
ていじゅうひょうはくふゆのひあつきにぎりめし
※「金子兜太95歳自選百句」は、『語る 兜太』(岩波書店)の巻末に掲載されています。その中からいくつか。
青年鹿を愛せり嵐の斜面にて 金子兜太
せいねんしかをあいせりあらしのしゃめんにて
果樹園がシヤツ一枚の俺の孤島 金子兜太
かじゅえんがしゃついちまいのおれのことう
男鹿の荒波黒きは耕す男の眼 金子兜太
おじかのあらなみくろきはたがやすおとこのめ
山峡に沢蟹の華微かなり 金子兜太
さんきょうにさわがにのはなかすかなり
猪が来て空気を食べる春の峠 金子兜太
ししがきてくうきをたべるはるのとうげ
津波のあと老女生きてあり死なぬ 金子兜太
つなみのあとろうじょいきてありしなぬ
その他のお気に入りの句も、下記の記事にて紹介しました。