詩-随筆

小倉城跡に風立つ(国指定史跡) -ときがわ風景-

先週、小倉城跡を散策しました。ここは、全国的にも他に類を見ない、珍しい石垣のある山城が在った場所だそうです。最大の特徴は、城の随所に見られる石垣や石積みです。郭3にはコの字形に囲む最大約5m、総延長120m石垣があり、郭1の土塁内側には3…

見事な枝垂桜(しだれ桜) -ときがわ風景-

春の散策のため車を走らせていると、大きな枝垂桜(しだれ桜)が目につきました。ここをしばらく散策することに。オオイヌノフグリは野原狭しと咲いているし、畑の桃の花がまた何とあざやかなこと。枝垂桜は、まさしく「まさおなる空よりしだれざくらかな 富…

少年の日の思い出 母逝きて

川崎市戸手町・川崎市 御幸小学校・京濱女子商業学校・三菱銀行 横浜 鶴見支店・母の死古稀を迎える歳になり、最近なぜか亡き母のことをよく思い出します。母を亡くしてから既に50年以上が経過して、完全に過去の歴史となってしまったのにも拘わらず。この…

俳句ライフ 現在&これから -いろはの「それなりに俳句ライフ」・5- 

*東京 千住 2014.9 撮影■ 芭蕉 「奥の細道」は高校生の頃、荻原 井泉水の「奥の細道ノート」(新潮文庫)という本を読んで親しんでいました。原文がその本に載っていたので、味わいながら丁寧に詠んでいました。詠んでいるうちに、書き出しの部分から「日光…

Myアンソロジー・フレージング・吟行 -いろはの「それなりに俳句ライフ」・4- 

*隣町の景色です。のどかな風景が気に入り撮ってきました。 いろはの「それなりに俳句ライフ」・4 Myアンソロジー・フレージング・吟行■ Myアンソロジー古典や詩歌集などから気に入ったフレーズを書き写して、Myアンソロジー(詞華集)を作っています。My…

いざ句会へ -いろはの「それなりに俳句ライフ」・3- 

いろはの「それなりに俳句ライフ」・3 いざ句会へ「はばからず うちいだすなり ごうしちご」の勢いにのって、「五七五の短歌」を引っ提げて、すぐに句会に参加しました。今まで2年程続けてきた短歌の五七五七七の「七七」の部分を削っただけの「短詩」をい…

短歌から俳句へ -いろはの「それなりに俳句ライフ」・2-

いろはの「それなりに俳句ライフ」・2 短歌から俳句へ橘守部の歌論をきっかけにして、わたしは短歌を始めてみたいと思いました。俳句は、季語とかの約束事があって窮屈そうです。また、俳句は地味で、渋いなあ。それによくお年寄りがやっているのを見かけま…

あなたも 私も詩人である! -いろはの「それなりに俳句ライフ」・1-

いろはの「それなりに俳句ライフ」・1 あなたも 私も詩人である!「それなりに俳句ライフ」の初回は、わたしが短歌や俳句を始めるきっかけとなった出来事を振り返ってみます。最初に、短歌を始めるきっかけになったのは、次の言葉でした。橘守部(たちばな …

渡辺水巴 ふるゝものを切る隈笹や冬の山 -俳句鑑賞- 

渡辺水巴 ふるゝものを切る隈笹や冬の山 -俳句-句鑑賞〉ふるゝものを切る隈笹や冬の山 渡辺水巴ふるゝものを切る隈笹や冬の山 渡辺水巴 ふるるものを きるくまざさや ふゆのやま〈いろはno思いこみ鑑賞〉「ヘルマン・ヘッセの雲」でも書きましたように、自…

梅の里 越生梅林・佐佐木信綱・菅原道真 -ときがわ風景-

*梅の花咲く -ときがわ風景・俳句・短歌- 菜の花の風まぶしくて畦蛙 森澄雄 なのはなの かぜまぶしくて あぜかわずこんな句を詠み、近づいている春の景色を想像しながら歩いています。何か面白そうなものを見つけたら、歩みを止めてゆっくり眺めます。先…

ヘルマン・ヘッセの雲 「うすものを着て雲のゆくたのしさよ」 細見綾子

*ヘルマン・ヘッセの雲 -うすものを着て雲のゆくたのしさよ- 俳句 細見綾子 何となく気分が晴れない時があります。 そんなときは、外へ出ます。 「自然の恵み」を身体いっぱいに浴びて、息を吹きかえすために。 川沿いの道を歩いていると、美しい雲が山の…

永井陽子の短歌鑑賞 五首 「アンダルシアのひまわり」

*永井陽子の短歌 五首「アンダルシアのひまわり」〈いろはno思いこみ鑑賞〉 撮影 ときがわ町 〈いろはno思いこみ鑑賞〉永井陽子(1951-2000)は、1951年の生まれ。わたしとほぼ同じ時代に生き、2000年まで同じ時代の空気を吸っていたことになります。彼女の…

林檎(りんご) 青森からの贈り物 -寺山修司の句-

*りんご 青森からの贈り物 俳句 寺山修司 今年は柿が豊作で、美味しい柿がたくさんいただけました。その柿も、12月に入ったらすでになくなり、食後のデザートがありません。そんな折りに、突然天からの贈り物です。青森からはるばる、この地へ林檎の贈り物…

臘梅のつぼみを抱き -ときがわ風景-

*ときがわ風景 臘梅 俳句 春を待つ自然 2022.12.10 撮影 12月10日 臘梅(ろうばい)の木の葉が黄色く色づいていました。淡く優しい色をしていて、この色合いが何とも言えず「美しいなあ」と思って眺めていたら、葉の下に隠れるように小さな蕾(つぼみ)がつ…

「これで満足」That's A Plenty -ディキシーランド・ジャズ(シドニー・ベシエ)-

みかんの収穫を終えて、今この曲を聴いています。収穫の喜びにふさわし曲です。この曲「これで満足」That's A Plenty は、ディキシーランド・ジャズの代表曲。明るく、楽しく、晴れやかな曲で、自然に身体が動き出し、元気が出てきます。演奏しているのは、…

みかんの開花から収穫まで -ときがわ風景-

春、みかんの花が咲き始めました。 4年前にみかん(蜜柑)の苗木4本を購入して植えました。そして、今日まで大切に育ててきました。草刈りを何度もしたり、肥料をあげたり、剪定もしてきました。 花蜜柑 無垢の白さの香を秘めて いろは はなみかん むくの…

団栗(どんぐり) -わたしの散歩道 ときがわ風景-

- わたしの散歩道 -白い雲が、のんびりと大空に浮かんでいます。 「この雲の形は一度限りのものなんだなあ」 と思うと、雲への郷愁というか、いとおしさというか、 が湧いてきます。しばらく行きますと、 鬱蒼とした大木の下に団栗(どんぐり)が、 落ちて…

森 澄雄 億年のなかの今生実南天 -俳句鑑賞-

*森 澄雄 億年のなかの今生実南天 俳句 -ときがわの 南天の実- -ときがわ風景- 撮影:埼玉県比企郡ときがわ町 南天の実 億年のなかの今生実南天 森 澄雄(おくねんのなかのこんじょうみなんてん)〈いろはno思いこみ鑑賞〉 「悠久の時間の中に一瞬のま…

山崎十生 もう誰もいない地球に望の月 -俳句鑑賞-

*山崎十生 もう誰もいない地球に望の月 俳句 鑑賞 紫*この記事は、当初の記事(黒字の記事)から更新を重ねてきましたので、記事の日付を変更して、ここに掲載しています。(記事中青字の部分が追加した部分です。)いろいろな「思いこみ」読みを試みてみ…

月  -ときがわ風景-

*撮影 : ときがわ夜景「月」 もうすっかりと夜も更けて 昼のまぶしさは消え去りました 月は高く 光の雫がこのまちに こぼれ落ちてきそうです *撮影 : ときがわ夜景「月」 この世の時は 止まったようで 淡い月影だけが ゆったりと 時を刻んでおりました *…

芝 不器男  みじろぎにきしむ木椅子や秋日和 -俳句鑑賞-

*芝 不器男 秋日和 俳句 鑑賞 -ときがわ秋風景 -撮影 ときがわ町風景 2022.9 みじろぎにきしむ木椅子や秋日和 芝 不器男(みじろぎにきしむきいすやあきびより)〈いろはno思いこみ鑑賞〉 秋のおだやかな日に木椅子に腰掛けて、色づき始めた自然の景色を…

金子兜太 曼珠沙華どれも腹出し秩父の子 -俳句鑑賞-

*曼珠沙華どれも腹出し秩父の子 金子兜太 俳句鑑賞 曼珠沙華どれも腹出し秩父の子 金子兜太〈いろはno思いこみ鑑賞〉わが郷土埼玉・秩父の俳人、金子兜太さんの句。曼珠沙華がこの時期満開です。秩父の丘に曼珠沙華が真っ赤に燃え出づる如く、小枝を振り回し…

富田木歩 かそけくも咽喉鳴る妹よ鳳仙花 -俳句鑑賞- 

*富田木歩 鳳仙花 -ときがわ秋- かそけくも 咽喉鳴る妹よ 鳳仙花 富田 木歩 かそけくも のどなるいもよ ほうせんか ・かそけし(形ク)かすかだ〈いろはno思いこみ鑑賞〉 死の近い妹の喉のかすかな喘ぎ。鳳仙花のはかない美しさを妹のそれに重ねて、この…

中村草田男 曼珠沙華落暉も蘂をひろげたり -俳句鑑賞-

*中村草田男 曼珠沙華 -ときがわ町秋「都幾川堤 曼珠沙華」- 9月11日、都幾川堤の曼珠沙華を撮影しました。まだ堤にぽつんぽつんと咲いている程度です。見頃は、もう少し先になるようです。例年、秋の彼岸の頃になると、堤を真っ赤に染めて鮮やかになり…

ときがわ風景 町田屋旅館 -石田波郷 女来と帯躔き出づる百日紅- 

*石田波郷 女来と帯躔き出づる百日紅 俳句 -ときがわ町 町田屋旅館-*撮影:ときがわ町 「町田屋旅館」周辺 さるすべり 2022.9.5 ときがわ風景 町田屋旅館 「町田屋旅館」という趣のある旅館の庭に、さるすべりの見事な大木があります。思わず写真を撮り…

高野公彦 『水苑』 -短歌-

*高野公彦 『水苑』 -短歌 pickup- いのち終へ落ちて食はるる野の鳥の生を剛直の生と思へり -高野公彦 歌集『水苑』P181- 雲の上に出でてまばゆきまかはんにやはらみたくわうの中を飛びゆく -高野公彦 歌集『水苑』P211- *高野公彦 『水苑』 -短歌 …

トラークル 詩「浄められし秋」

*トラークル 詩「浄められし秋」 浄められし秋 トラークル ちからづよく、こうして年は終る金色(こんじき)の葡萄と園の稔りをともなって。あたりの森はふかしぎにおし黙り孤独な者の伴侶となる。 そのとき農夫は言う— これでよし。おまえら晩鐘はながくしず…

春の句 -ときがわ風景-

*1年以上前に書いた過去の記事です。このブログには未掲載でした。拙い句ですが、記録としてそのまま掲載します。2022年 春ディーゼルの駆け抜けたるや春の原 いろは ディーゼルのかけぬけたるやはるのはら春昼の川辺にのそと蛇のをる いろは しゅんち…

ゲーテ『若きウェルテルの悩み』の思い出 - 何という晴れやかさが -

*ゲーテ「若きウェルテルの悩み」の想い出 -何という晴れやかさが- 2022年5月4日 本日は、若きウェルテルの物語が始まった日です。(1771年5月4日からその物語は始まりました。)若いときに読んで、今は古稀を迎える歳ですから、この小説のほとん…

モーツァルト 弦楽五重奏曲 第1番 変ロ長調 K.174 楽曲構成 index(楽曲解説)

モーツァルト 弦楽五重奏曲 第1番 変ロ長調 K.174早苗吹く風と一つに朝迎ふ いろは さはえふく かぜとひとつに あさむかう第1楽章 アレグロ・モデラート 変ロ長調第2楽章 アダージョ 変ロ長調 第3楽章 メヌエット・マ・アレグレット第4楽章 アレグロ 変…